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短歌のおはなし。

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アール・ブリュットと歌葉新人賞
10月最終日、短歌ヴァーサスサイトの
斉藤斎藤さんのエッセイですが(↓)
http://www.fubaisha.com/tanka-vs/top.cgi?mode=read&year=2005&month=10&day=31
わたしが「ギャップにちょっと戸惑っ」ていないことを除けば
歌葉選考会が終わって1週間の間に笹井宏之作品、宇都宮敦作品について
わたしの中で確実になっていった感触と、ほぼ同じ内容のものが書かれてあって
うんうん、と頷いて読みました。


今回の歌葉選考会は奇しくも、文学の中で表現される
「(まあ、ふつう)な現実の受け入れ方」の差について
候補者、選考委員、聴衆、3者の
態度の取り方を示す結果になったと思います。


特に、穂村弘さんが最後まで第一候補に推していた
宇都宮作品「ハロー・グッバイ・ハロー・ハロー」について
選考委員が3者3様の反応の仕方をしていたのが
(ある意味反応していなかったのが)
とても興味深く、
また、当日選考会現場において私個人の宇都宮作品への反応は
私の作品を推してくれていた
荻原裕幸さんに非常に近かった、ということも
ここで告白しておきましょう。


過去、クリエイターというものは、文筆業も、画業も、造形分野も含めて
目の前の現実はなんだか受け入れがたく
その落ち着きの無さを自分の世界をつくることで解消したい
というものがそもそもの創作動機である、と(わりあい)固く信じられてきました。
その極例とでもいうべきものが、いま
東京・ハウスオブシセイドウで開催されている
ヘンリー・ターガー(↓)
http://www.tssplaza.co.jp/~visual/k/darger/darger%20top.html をはじめとするアール・ブリュットの作家たち
の作品だと思うのですが(↓)
http://www.shiseido.co.jp/house-of-shiseido/html/exhibition.htm それとは反対方向に、
目の前にある現実を肯定感とともに穏やかに受け入れていこうとする意志が、
今回の歌葉新人賞の受賞作、とくに次席の宇都宮短歌には濃く見られて、そういう世界を短歌によって提示してくれたことは
評価するべきことではないでしょうか。


選考委員の穂村さんによる推薦作品は
この点、現実を受け入れる際の肯定感の濃度が
濃いほど順列が高かったのも発見でした。
作品のなかに負の感覚、あるいはルサンチマンがどこかにあると
それだけで「歌」だ「詩」だ、と受け入れやすくなることは確かですが
文芸批評はいつまでもそこにいてはいけないと思うし
短歌の解釈や批評も、
あかるき方へ積み上げてゆく努力は意識してすべきと思います。


とはいっても、今回の候補作から
わたし自身が実際どの作品を推すかと問われれば
実際の現実と、自分にとってのリアリティが
少し乖離しているわたしの生理を宥めてくれるという点で
我妻俊樹作品になってしまうのですけれども(笑)
それはもう好みの世界ですので。
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